新成人おめでとう。
成人を祝う儀礼は古くからあり、
男子には元服・褌祝、女子には裳着・結髪。
今は、「おとなになったことを自覚し、
みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」事が
目的で制定されたのが成人の日とされています。
昨今の成人式はだいぶ様変わりしてきていると感じます。
参議院議員の山田宏先生が、かつて元杉並区長の時の
成人式の式典で「こうやって成人式を迎える
ことができたのはご両親やご家族のお陰であり、
もっと多くの人々のお陰でもあることも知ってほしいのです。
そしてどうぞ「感謝」の気持ちを忘れないでください。」と述べ、
特攻隊の遺書を読みました。
ざわめく会場は静まり涙を浮かべる若者もいたそうです。
私はその話を伺い素晴らしい式典と思いました。
それに倣い私も新成人にメッセージを伝えたいと思います。
７０年数年前にも、皆さんと同じ新成人がいました。
成人式の今日、７０年数年前の２０歳の方の遺書をここに載せます。
「　謹啓　御両親様には、相変わらず御壮健にて
御暮しのことと拝察致します。
小生もいらい至極元気にて軍務に精励いたしております。
　今までの御無沙汰致したことをお詫び致します。
本日をもって私もふたたび特攻隊員に編成され出撃致します。
出撃の寸前の暇をみて一筆走らせています。
　この世に生をうけていらい十有余年の間の御礼を申し上げます。
　沖縄の敵空母にみごと体当りし、
君恩に報ずる覚悟であります。
男子の本懐これにすぎるものが他にありましょうか。
護国の花と立派に散華致します。
私は二十歳をもって君子身命をささげます。
　お父さん、お母さん泣かないで、
決して泣いてはいやです。ほめてやって下さい。
　家内そろって何時までもいつまでも
御幸福に暮して下さい。生前の御礼を申上げます。
　私の小使いが少しありますから
他人に頼んで御送り致します。
何かの足しにでもして下さい。
近所の人々、親族、知人に、
小学校時代の先生によろしく、妹にも......。
　後はお願い致します。
では靖国へまいります。」
　　四月六日午前十一時記す
　　　　　神風特別攻撃隊第二御盾隊銀河隊
昭和20年4月7日
海軍一等飛行兵曹　松尾　巧　享年20才
佐賀県出身　乙飛17期